管理栄養士がオススメする「上手に栄養素を摂取する」コツ

バランスの良い食事をすることで、妊婦さんに不足しがちな栄養素もバランス良く取り入れることができると考えられています。

では、バランスの良い食事というのは、どのようなものでしょうか。
大まかにいうと「主食・副菜・主菜・牛乳や乳製品・果物を、適切に組み合わせている食事」です。
厚生労働省の妊産婦のための食事バランスガイドにおいては主食」でエネルギーを、副菜」でビタミン・ミネラルを、主菜」でたんぱく質を、牛乳・乳製品」でカルシウムをしっかりと摂取するよう記載されています。

【参照】妊産婦のための食事バランスガイド
https://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/dl/h0201-3b02.pdf

しかし、妊娠初期はつわり、後期は胎児が大きくなることから胃が押し上げられて食欲不振に陥りやすく、なかなかしっかりと食事を整えることが難しいと思います。
そこで、今回はバランスの良い食事ができないときに、不足しがちな5つの栄養素を「上手に取り入れるコツ」をご紹介します。

毎日の主食は「食物繊維豊富」なものを選ぶ

みなさん、主食は何を食べることが多いでしょうか。

ご飯、麺、パンなどありますが、この主食を「食物繊維豊富な方を選ぶ」ことで、妊娠期に不足しがちな栄養素を習慣的に摂取することができます。

<例>
・うどんを「蕎麦」にする
・食パンを「ライ麦パン」にする
・白ごはんを「玄米やもち麦、黒米、五穀米」などに変える

基本的に、主食に色がついているものは精製度が低く、食物繊維豊富なものが多いです。
毎日食べる主食を「より食物繊維が多い食品」に変えるだけで、妊娠中に起こりやすい便秘の予防に役立ちます。

おやつは絶好の栄養補給の機会!特に「カルシウム」「葉酸」を意識しよう

おやつ、ときくとお菓子やアイスなどを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
しかし、妊産婦のための食事バランスガイドにおいて「菓子・嗜好飲料」は食事バランスのコマを回す「ヒモ」に位置付けられており、楽しく適度に、とされています。
つまり、からだの栄養としてはあまり必要ではなく「心の栄養」のために食べて良い、という認識です。

ですので、お菓子やアイスは週に1〜2回のご褒美にして、それ以外のおやつ(間食)は「しっかり栄養を補給する機会」にしましょう。

特に食事だけでは補うのが難しい「カルシウム」は、ヨーグルト・チーズ・小魚で、飲み物はホットミルクやミルクココアにして間食で摂取しましょう。
「葉酸」が豊富なイチゴやバナナ、枝豆も手軽に用意できるのでおすすめです。

「栄養価UP食材」を常備して、サッと食べられる環境づくりを

妊娠中は「今日はもう無理…バランスを整えた食事を用意できない…」というとき、ありますよね。

そんな時は、翌日以降に栄養バランスの良い食事をすれば大丈夫!
その日は少しでも栄養価の高いものを食べればOK。
「栄養価UP食材」をご飯にふりかけたり、直接食べたりして、不足しがちな栄養素を少しでも摂取して乗り越えましょう。

<常備しておきたい栄養価UP食材>

葉酸や食物繊維…枝豆、ブロッコリー、ライチ、いちご、ほうれん草などの緑色の濃い野菜のお浸しをお惣菜で買ってもOK!

…海苔、いりごま、カシューナッツ、蒸しさつまいも、いりこ、純ココア、大豆 など

 

【参考】西東社「新しい栄養学と食のきほん事典」
池田書店「からだによく効く食材&食べあわせ手帖」